治療法を拡大するために、創薬が困難とされてきた標的にアプローチすることは可能か?
Abilita Therapeutics社のMauro Mileni博士とChris Roth博士との対談
強力な計算ツールやウェットラボ技術の発展にもかかわらず、創薬をおこなうチームにとって、有力なヒット化合物の探索は依然として大きな課題です。成功する治療パイプラインを構築するために、企業がこの挑戦、課題やその他の課題にどのように取り組んでいるかをより深く理解するために、Abilita Therapeutics社の創設者兼CEOであるMauro Mileni博士と、研究担当副社長のChris Roth博士に話を聞きました。
CAS:会社を設立したきっかけは何でしょうか。
私が会社を始めたのは、低温室から出たかったからです!大学院生そしてポスドク研究者として、当時膜タンパク質の構造生物学に重点を置いていて、結晶学を用いて構造-機能相関を理解しようとしていました。ただ、膜タンパク質を研究した経験がある人ならご存じのように、これは非常に扱いにくいものなのです。結局、膜タンパク質を結晶学的研究に十分なレベルまで安定させるために、多くの時間を低温室で過ごすことになりました。
何年も研究した結果分かったのは、膜タンパク質を安定化させることは、結晶構造解析に不可欠なだけでなく、創薬、特にヒット化合物の発見をより効果的に行うことにもつながるということです。構造生物学において膜タンパク質を扱いにくくしていた根本的な障害が、標的タンパク質を創薬に使う場合では逆に好都合な影響を与えるかもしれないという事です。私は、指向性進化の原理を利用し、より安定した標的タンパク質の官能性誘導体を作り出して、創薬に役立てる方法を見つけたいと考えました。そしてこのアイデアが、Abilita Therapeutics社になっていったのです。
最初の結晶構造を解いたとき、高度なツールなどありません。すべて試行錯誤でした。何年もの間、酵素やその他のタンパク質をいじることによって、それらをより安定させたり、過酷な環境下でもより活性化させたり、といったことをしてきました。昔は、GPCRで唯一利用可能だった方法は、体系的にタンパク質に変異を起こすことでした。それでどうなるか様子を見る。そして次は違う変異を起こし、またどうなるか見る。これはとにかく手間がかかる、繰り返しの連続の作業です。自分の卒論を書くときも、ほぼすべての時間を何千もの変異をスクリーニングすることに費やしたものです。アドレナリン作動性受容体の安定性を一変させる位置をひとつ見つけるために、です。この方法は、全般的な影響を与えるにはあまりにも非効率的すぎました。
Abilitaという会社でのメインのコンセプトは、指向性進化を膜タンパク質に適用し、自然を活用することで安定性という課題に対する最適解を見つけることができるというもので、今まで非常に時間がかかり、手間とコストがかかっていたプロセスを、この進化システムに置き換えることで、劇的にスピードアップすることができます。この発明の基礎は、タンパク質の進化を促すために必要な条件をどうやって作り出すかということでした。そのためには、それを宿主の生存に不可欠なものにし、それから次にシステムに圧力をかけて、創薬に役立つ形質を求めて進化させるようにしたのです。
CAS:創薬において、最大の課題は何だと思われますか。
ヒット化合物を得るのは簡単です。しかし新しく関連性があるヒット化合物を得るのは困難です。問題の核心は、同じスクリーニング技術を、ちなみにそれは一般的には高スループットの細胞ベースのアッセイですが、それを可能性のありそうな難しい標的の多くに対して、すでに以前から適用してきているということです。しかも皆でとても似た手法を使っている。ちょっとだけ違うパラメーターを使って、結局同じ質問を何度も何度も繰り返し問うことをして、そして違う回答が出るかもしれないと期待しているだけなのです。
技術面では、ほぼ何も変わっていません。大部分の企業は、膨大な化合物ライブラリーを使った、力ずくのスクリーニング手法をとっています。それらのライブラリーで細胞を処理して、生化学的反応がないかをスクリーニングする。これはこれで明らかにうまくいくわけで、なぜならこのやり方で現在までの承認薬の大部分を見つけているわけですから。しかし、従来の方法が通用しない、新しいヒット化合物を見つけるとなると、関連性のあるヒット化合物が見つかる可能性は低い。GPCRなどの膜タンパク質にはさまざまな立体配座があり、発見をするプロセスにおいて、特定の生理的状態に結びついた立体配座を特定するのは困難です。可能ですらないかもしれない。実際、困難な標的では、最初から機能的に折りたたみすらしない場合も多い。これは、単にスクリーニングして見つけられるようなものではありません。
細胞表面には、細胞ベースのスクリーニング結果を見えにくくする要素が数多く存在します。細胞のような複雑な系で抗体探索を行うとき、他のタンパク質や脂質、そして糖などの周辺構造があって、それらは標的との相互作用を複雑にしたり、抑制したりする場合すらあります。その結果、残念ながらスクリーニングでは偽陽性を含むノイズが多くなります。そこで、大きなライブラリーと標的タンパク質だけに絞ったアッセイを開発することにより、こういった複雑な要因のほとんどを回避できる可能性があります。
考慮したほうが良いもうひとつの重要な側面として、ほとんどの膜タンパク質には、さまざまな立体配座のアンサンブルがあるということです。元々柔軟性があるため、この柔軟性は、創薬の際の大きな問題となります。探索する際、実際に探しているのは、標的と潜在的候補薬の相互作用だけではなく、その標的の特定の立体配座です。「アンドラッガブル」とみなされるタンパク質の第一の特徴として、おそらく天然の状態では多くの立体構造を流動的にとるため、従来の細胞ベースの方法での発見の妨げになっていることが考えられます。
CAS:それは重大な制約のように思えますが、解決策として何か提案はありますか。
実は、まさしくこの問題の解決策としてEMPTM技術を開発したのです。私どもは、「創薬が困難」な標的など存在しないという観点から、創薬に取り組んでいます。私どもの技術は、対象となる標的に対し、指向性進化をとおしてその特性を改善する、例えば発現や安定性や均一性などを向上させるなどですね、そんな設計になっています。これは、タンパク質の折りたたみを改善し、そして最終的に標的の立体配座が変化するのを制限または防止することで達成できると考えています。膜タンパク質を特定の疾患と紐づいた形態に固定させ、これを標的としてタンパク質ベースの方法で化合物スクリーニングを実施すれば、あらゆる標的に対して創薬が可能になるかもしれません。この手法を使用すれば、多くの創薬チームが現在の物理的スクリーニングアッセイでは得られないと考えている標的に対しても、固有のヒット化合物を見つけることが可能になります。
これによって、膜タンパク質世界の聖杯と言われる、精製されて適切に折りたたまれて安定化された標的タンパク質を使った創薬が、可能になります。立体配座の均一性と安定性は、タンパク質ベースのアッセイの成功には極めて重要です。天然立体配座を安定化させるにせよ、求めている薬理作用にあわせて立体配座をスキューさせるにせよ、天然の立体配座を維持したまま細胞膜からの除去に耐えられるようにタンパク質を適応させる変異を見つけることが鍵となります。
これにより、最も困難な標的を希少な試薬に変え、創薬しやすくするという可能性の扉が開きます。私どもは、これは氷山の一角にすぎないと感じています。技術の進歩に伴い、できることの範囲も広がり、「アンドラッガブル」な標的、いえ、私は「まだドラッガブルになっていない標的」と呼んでいるわけですが、そんな標的も、自由に扱えるようになります。これはとてもダイナミックなアプローチで、構造ベースの研究や、化合物ライブラリーのスクリーニング、そして抗体を単離する免疫研究をも可能にするものです。
この方法を使えば、標的と薬物の相互作用のダイナミクスを探ることもできます。結晶構造と同様、立体配座のランドスケープを理解するには、活性状態の構造とその間の不活性状態の構造が必要です。バイアスアゴニスト、パーシャルアゴニスト、またはインバースアゴニストなどを発見したい場合には特にそうです。これによって、単なる結合剤ではなく、明確な薬理学的対象の分子を見つけられます。
私どもは、特定の膜タンパク質の活性状態に似た、または完全非活性状態に似た、特定の立体配座、もしくは立体配座群に向けて標的を進化させたいと考えています。対象とする疾患やMOAに関連する機能状態が何であっても、可能な限り類似した標的を作れば、成功の確率が大幅に高まります。
CAS:この新技術が適用できるのは低分子のスクリーニングだけでしょうか。
確かに低分子の探索には強力なツールですが、抗体の探索への応用に最も可能性を感じています。私どものパイプラインは主に抗体治療薬の開発に注力しています。でも、低分子化合物についても複数のファーマ企業とのコラボを進めています。もちろん、これで私どもの技術の可能性も拡大されるし、また実行できることも拡張されます。他社のパイプラインを活用することで、私たちが最初の発見をおこない、それが他社のラボで医薬品として開発されるのです。
こういったコラボレーションによって資本も生み出されますから、それを追加資金にして自分たちのプログラムを推進させることができます。つまり、Abilitaとコラボ先双方にとってウィンウィンになります。抗体医薬の自社開発に集中できる一方で、低分子医薬の分野でも影響力を発揮できるのです。私どもの技術を利用したいと考える企業との新たなパートナーシップやコラボレーションを、私どもはいつでも歓迎していますし、それは創薬分野全体を後押しする大きなチャンスだと考えています。
抗体探索を改善させることは、最も直接的で影響力のあるこの技術の使い方のひとつだと考えています。特に有益な側面は、従来ほとんどアクセスできなかったGPCRやイオンチャネル、トランスポーターなどのポリトープ膜タンパク質の領域を開拓できることです。GPCRを標的とする抗体ベースの治療薬はまだ数種類しか承認されておらず、臨床に入るものは増えているものの、それがまず最初に取り組むべきボトルネックだと考えています。
CAS:治療用抗体の開発には、発見の可能性以外にも利点はあるのでしょうか。
低分子モダリティでは毎日錠剤を飲まなければならないことが多いわけですが、抗体なら1回の注射で何か月も効果が持続します。私どもが対象としている難しい疾患は、一般的に疼痛、がん、そして自己免疫疾患などで、オーファンGPCRが標的となる場合もあります。この場合、長期の治療が必要になることが多いため、患者にとっては抗体の方がメリットがあります。抗体医薬には、選択性が高い事や末梢に制限できるといった利点もあります。低分子薬剤を毎日服用する際、その投与量やオフターゲット効果を心配することなく、抗体は患者のウェルビーイングへの悪影響を制限しながら、より長期の介入を提供できます。
CAS:創薬のボトルネックになっているものは、業界内で他にありますか。
イノベーションで大きなギャップがあります。これはもはや、医療そのものにおける最大のボトルネックだと思います。一度成功したことがあるというだけで、同じことが何度も何度もおこなわれるのです。創薬の分野では、やたらと圧力や権力が幅を利かせていて、イノベーションの必要性に歯止めがかかっています。大企業は、新しいことを追求して失敗するリスクを負うより、たとえ競争相手が存在しても市場に出せるほうに資金を投入することを選びます。ここが小企業との大きな違いです。私たちは最初の部分の新しいアイデアを見つけるのは得意です。でもそこから先に進めるのは困難なのです。
ビジネス面から言うと、大手の製薬会社が確認済みの標的や手法を優先するのは、それは成功する確率に基づいているからで、疾患治療の新たな道を切り開く可能性のためではありません。そういったリスク要素があるから、私たちのような小さい企業に発見や初期研究を任せる傾向があるのです。私たちは、ある程度までなら資産リスクを軽減できますが、新規分子に過剰な支出をすることに投資家がますます乗り気でなくなっているため、その部分は先送りになる一方です。さらに、大手の製薬会社は社内で新規作用機序に取り組む前に、臨床でのデータを見たがるため、この問題はさらに悪化します。
残念ながら、こういった大手製薬会社では、プロジェクトに巨額の資金が投入されることから、イノベーションよりも成功確率が重視され、その結果過度に保守的な戦略になってしまう傾向があります。私たちは小さな会社ですので、ハイリスク・ハイリターンのプロジェクトに挑戦することもできます。そこで、失敗する可能性があってもイノベーションを優先するようにしています。だからこそ、小さなバイオテクノロジー企業やバイオファーマ企業に大手企業との中間的な立場を取ってもらって私たちができる先行研究を受け入れてもらい、この分野全体を押し上げていく方法を見つけなければならないと思っています。
大手製薬会社は、抗体医薬の領域で、いまだに野生型配列を用いたDNAとRNAの免疫化を試みているということに気が付きました。最近ファーマ関係の方々を相手に、膜タンパク質の発現と精製の課題について、断片化とミスフォールディングが主な壁であるという講演をしました。現在の抗体探索は、標的遺伝子からDNAやRNAを取り出して動物に注射し、何かが起こることを期待する、というやり方になっています。
残念ながら、おそらく私が観測したのと同様の、断片化されミスフォールドしたタンパク質がそういった動物でも起こることでしょう。だから、安定化したタンパク質を標的にするほうが、有益なアプローチなのです。私たちは、これが抗体探索における大きな問題だと認識しています。そこでそういった失敗を回避しながら、システムをより合理化し、本当に有効なものに注力しています。タンパク質の立体構造を安定させ、望ましい特性を持つ抗体を探し出し、大規模なライブラリーと組み合わせることで、真のヒット化合物を見つけ出す可能性が格段に高まります。
アッセイが存在しなければ、新しい薬理学を見つけるのは困難ではないでしょうか。アンドラッガブルに関しては、その原因は標的が困難だからというだけではありません。標的を適切にスクリーニングするシステムが存在しないため、ということも往々にしてあります。ただ、ここで重要なのは、効果がある薬を見つけるというだけではなく、それをパイプラインに導入できること、望ましい特性を持っていること、そして最も重要なのは、新規性があること。そういった薬を見つける必要があるということだと思います。
GPCRの場合、これはより困難なほうに位置づけされますが、多くの場合、機能や内因性リガンドすらまだわかっていないのに、疾患での役割は十分に確立されていたりするわけです。こういうものに対して、どうやってヒット化合物を見つけたらよいのでしょうか。アッセイはありません。標的に働きかけることもできません。スクリーンを開発する知識的基盤さえありません。こうなるともう、基本的に大規模な組織では、最初から見込みはないのです。すぐに優先順位を下げられてしまうだけです。そしてそれは、大きな問題です。製薬会社が、あまりの難易度のために標的の優先順位を下げてしまう。そんな環境が、私たちの活動領域です。そういった他社がやれない、またはやろうとしない真の新規分子を、私たちは発見したいのです。
CAS:そういった課題の克服に、AlphaFoldなどのAIソフトウェアは役立つでしょうか。
タンパク質の折りたたみ予測については、全体的な構造はかなりいいところまでいきますが、重要な細部まではわからない。それが問題です。例えば、残基の方向や、らせんの向きのわずかな変化など、ちょっとしたことで関連するものがまったく変わってきます。AlphaFoldはタンパク質工学の出発点として使うには素晴らしいツールだと思いますし、ホモロジーモデルの構築は優秀なので、私もいつも使っています。
ただ、ほとんど知られていないファミリーや新規標的のde novo予測については、どれほど効果的か知りません。最近では何百もの結晶構造があり、構造が確立されているGPCRほどの成果は期待できないのではないでしょうか。だからこそ、人の手による生物学的データのキュレーションがまだまだ重要なのです。
少し前に、AlphaFoldが構造を2億件解明したという記事を目にしました。これでもう、完了したに違いない、そう思いますよね。論文の表紙のきれいな画像用にするなら、それで十分でしょう。しかし創薬となると話は別です。例えば結合では、実際の構造に非常に近いモデルから始める必要があります。また、残基の側鎖をすべて正確に予測する必要があります。そしてこれは、まったく別の分野の話です。場合によっては、工学のように、残基がモデルのどの位置にあるか大まかにわかるだけで、実は結構便利なときもあります。しかし創薬に使うのなら、特に膜タンパク質の場合は、もっと詳しく把握する必要があります。
また、酵素のような可溶性タンパク質の場合、立体構造が別の立体配座に切り替わる残基は一般的に数個しかありません。膜タンパク質の場合は、柔軟性が高く、さまざまな立体配座があるため、すべての立体配座の構造を予測する必要があります。これは、実際に実物を使って正しい立体配座の化合物をスクリーニングするのと比べると、AIだけでは非常に困難になります。
CAS:魔法の杖があるとして、創薬の何かを変えられるとしたら、何を変えますか。
最初の思考や実験から、より複雑なモデルへの変換を効率化できるといいですね。特に新規の標的における最大の問題は、in vitroの有効性スクリーニングからin vivoの動物モデル、そしてヒトにとって有効なものへと、その転換がうまくいかないことです。これは決して新しい問題ではありません。しかし、創薬や医療全体の進歩を加速できる何かという意味では、私にとってはこれになります。皮肉なことに、標的が困難であるほど、または新規のものであるほど転換に内在するリスクは高くなり、生物学的標的を検証するために必要な最初のツールを発見するだけでも一苦労になります。これは、生物学的な解明が最も遅れているのにリスクを取ることがどうしても必要になるオーファンGPCRの領域で特にそうです。これこそ、新しいイノベーションが大きな影響を与えることができる領域です。
私は、よりはやく、より安く市場に出せるようにしたいです。ヒット化合物が発見されてから、実際に薬剤が市販されるまで、年月とお金がかかりすぎます。医薬品の開発にかかるコストの平均は、いま10億ドルから20億ドルになっています。このコストの大半は、何の効果もない分子や開発不能な分子に対する研究に費やされているのです。開発プロセスの早期段階で、臨床における効果の有無の理由を実際に説明または予測できるツールがあれば、たいへん便利だと思います。そうすれば、医薬品の開発に費やす資金も時間も大幅に削減できるはずです。
Mauro Mileni氏は、GPCRやイオンチャネルなど、よく「アンドラッガブル」と呼ばれる困難な膜タンパク質を長年にわたって研究しながら築いてきたコンセプトを、根本的な障害を克服して「ドラッガブル」にする画期的な新技術に転換することを目的に同社を創設しました。同氏は以前から、膜タンパク質自体に内在する課題を、進化の力を利用して対処する革新的なアプローチ、すなわち膜タンパク質の特性を改善し、事実上あらゆる標的に対する創薬を可能にする技術を構想していました。Abilita社の創設前は、Max Planck生物物理学研究所(Frankfurt am Main)で博士号を取得し、Scripps研究所でポスドク研究員として勤務した後、Receptos, Inc.社で構造生物学の主席科学者を務めました。
Chris Rothは、Abilita Therapeutics社の研究担当副社長で、同社勤務9年目です。Mauro氏と同様、同氏は博士課程およびScripps研究所でのポスドク研究員としての勤務をとおして、膜タンパク質の工学、生産、そして構造決定などで幅広い経験を積みました。研究所では、最初の高解像度GPCR結晶構造を解明したチームの一員であり、現在もこの分野で使用されている重要なGPCR工学技術の発明者でもあります。同氏はScripps研究所を退職してReceptos社に入社し、同社科学チームの初期メンバーの一人として、GPCRの構造に基づくアプローチを学術的な追求から現実の創薬へと移行させるためにチームと共に貢献してきました。
Abilita Therapeutics社は、膜タンパク質標的の治療可能性を最大限に解き放つことで、未来の患者のために革新的な治療選択肢を作り出すことを使命とする、早期創薬企業です。同社は、独自のEnabled Membrane Protein(EMP™)技術を用いて発見した抗体医薬のパイプラインを構築しており、またEMPプラットフォームの可能性を拡大させて創薬に役立てることを目指している製薬会社と提携もしています。