科学的知財戦略のための先行技術調査と分析

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研究開発への投資の水準は大きく伸びており、2022年だけでもグローバルな投資額は2兆4,760億ドルに達すると予想されています。 新たなイノベーションの投資収益率を守るためには、堅固な知的財産戦略が不可欠です。 ある分野に投資する前に、関連する特許活動を理解し、そして先行技術の分析を行うことが不可欠です。 仮に、自分たちのイノベーションの特許出願日より前に、開示が行われたとします。 その場合、特許出願は却下されます。したがって、研究開発プロセスの早い段階で関連する先行技術を特定し、将来の特許性を判断することが重要です。

そのように開発や特許の準備段階でそのイノベーションは区別する戦略を立てることで、無駄な研究開発費の支出を回避できます。

新発明の市場投入前の研究開発には多額の資金が投入されるため、調査が不完全だと、知的財産戦略において高くつく失敗を招く恐れがあります。 そのほか、不完全な先行技術分析は、出願した特許の却下や特許の侵害、または既存特許の無効化などといった結果を招く可能性もあります。 こういった理由から、効果的かつ徹底的な先行技術の分析方法を理解することは極めて重要だと言えます。

先行技術の参考文献とは、どこにあるものなのか

先行技術調査の開始点として最も一般的なのは、既存の特許や特許申請です。 却下済みや係属中、そして放棄された特許申請も、技術革新の全体または一部を開示していれば、それは先行技術とみなされます。 特許文献に加え、特許以外の文献でも先行技術を見つけることができます。査読付き出版物、学位論文、学会発表、およびその他の開示形態などです。

書籍、図版、物体、アナログ録音、そして写真などの資料がデジタル化されてきたことにより、先行技術を見つけるために検索可能な資料の量は増加しています。 同時に、科学文献の量も飛躍的に増えており、先行技術の徹底的な分析に必要な情報量も増大の一途をたどっています。 さらに、現代の科学的なイノベーションは、多くの分野が交差する領域で実現することが多くなっています。 こういった理由から、包括的な先行技術の分析は、時間がかかり複雑な仕組みになっているのです。

CAS STNext®は、グローバルに公開されている特許と非特許、科学および技術コンテンツにおける、最も新しくそして完全なコレクションへの統合アクセスを検索担当者に提供することで、包括的な先行技術分析を可能にするものです。

CASでは、特許および非特許文献などのデータベースと精選されたソースの包括的なコレクションであるCASコンテンツコレクションTM の主要化学関連コンテンツを含む、100以上の多様なデータのコレクションを組み合わせています。 また、これはグローバルな特許のマルクーシュ構造を検索できる数少ない情報源のひとつとなっています。そこには、1988年から現在までの特許に掲載されている120万件以上のマルークシュ構造を検索可能にしており、しかも内容は毎日更新されています。

知的財産の専門家は、この豊富で権威あるデータセットに、高度なインターフェースと強力な精密検索機能を備えたCAS STNextを通じてアクセスできます。 貴組織のツールキットにCAS STNextを追加することで、先行技術のリスクと共通性を徹底的に評価し、よりスマートでデータドリブンな意思決定を導くことができるようになります。

各種機能を搭載したCAS STNextを、ぜひご検討ください。

どうやって先行技術の分析に適切な検索情報源を特定するか

先行技術の情報源にはさまざまな選択肢があるため、知的財産の検索担当者は、調査戦略を立てる際には、適切なものを選ぶことが重要です。 特許の概要を大まかに把握したいのであれば、検索エンジンや特許庁のインターフェースから始めるのが便利です。 ただし、そういった情報源は、その機能や網羅する範囲が必要以上に広範囲に及ぶ場合があります。 一方、オープンソースの検索ツールの多くでは、化学式や生物学的プロセスといった複雑な科学情報を扱えるようになるためには、よりカスタマイズされたアルゴリズムが必要になります。 オープンソースの検索エンジンのもうひとつの大きな障害として、多くの場合、画像化されたPDFのような文書から情報を引き出すことができないということが挙げられます。 さらに、多くのオープンソースの検索エンジンには、関連文書の捕捉に必要な幅広い情報が含まれていません。 そのため、先行技術検索にギャップが生じる結果になります。

このギャップを埋めるために、知的財産のアナリストは複数の情報源を駆使しています。 実際、科学業界でイノベーションを行っているところは、CAS STNextなどの信頼できる検索プラットフォームを利用して、既存の文献や科学情報を効率的そして包括的にレビューしています。 CAS STNextは、複数の情報源を横断的に検索できることに加え、最先端の技術と専門家によるキュレーションを活用することで高精度の検索が行えるため、経験豊富な知財研究者ですら見つけることが困難な文書も特定できるようになります。 また、CAS STNextには「インデックス検索」機能と人工知能も搭載されているため、サーチャーは、目的の技術に関連する情報をすばやく特定することができるようになるのです。

こちらのウェビナーでは、CAS STNextがどのように人工知能を活用して先行技術の分析を強化しているかを紹介しています。

先行技術の調査範囲を定義する

先行技術の調査方法を策定する際には、情報源が最新であること、そしてその網羅範囲を考慮することが重要です。 サーチャーは、検索の法的要件を考慮し、個々の情報源において、どのような情報がカバーされているか(またはカバーされていないか)を詳しく把握する必要があります。

検索結果が、その検索を要請している利害関係者の法的要件を満たすようにするためには、情報源の発行日、内容の更新スケジュール、対象国などの詳細情報を把握しておくことが極めて重要です。

検索範囲を定期的に見直し、その関連性と最新性が維持されるようにする必要もあります。 製品の戦略が変更された場合(例えば、新たなグローバルマーケットへ進出するなど)、新たな検索結果が出たときに、それが変更後の要件に対しても妥当なのか判断できるよう、最初の検索範囲をきちんと理解しておくことが不可欠です。 そうすることで、検索に潜むギャップを特定でき、そして導き出された結論が信頼できるものであることを確認できるのです。

こちらの記事では、先行技術調査でより広範囲な検索をすることの重要性を解説しています。併せてお読みください。

先行技術検索においてを適切なクエリを組み立てるには

先行技術検索のための適切なクエリを組み立てる際、発明の技術的特徴を明確に定義することは非常に重要です。 技術的特徴を明確に理解することで、関連する検索用語(類義語を含む)と検索の情報源を決定できるため、関連する先行技術を見逃す可能性を低くすることができます。

適切な検索キーワードを特定する際に考慮すべき点として、スペリングのバリエーション、そのキーワードの外国語での言い方、特許分類によってその用語が歴史的に異なった呼び方をされる場合、などがあります。

そのイノベーションがどんな分野なのかによっても、クエリは変わります。 例えば、化学をベースとするイノベーションでは、効果的な先行技術分析を行うには化学構造のクエリを実行することが効果的な戦略になります。 それに対して工学分野では、pHの範囲や温度などの数値情報に対するクエリが効果的です。 正確なクエリは、検索後のレビューの時間を短縮させるほか、洗練されていない方法では見逃されてしまうような先行技術を特定するのにも役立ちます。

徹底的な先行技術分析を行ったかどうかは、どうやってわかるのか

どの時点で検索を終了させるかの判断は、重要であり難しい決断でもあります。 いつ終了させるかを判断する最良の方法のひとつに、収束の原理を用いるというのがあります。 これは、たくさんのキーワードや引用文献、競合他社のレビュー、または化学物質情報などを使ったりなど、別の方法で検索を行い、クエリが同じ結果を返すかどうかをチェックすることで達成できます。 結果が収束するようなら、徹底的な検索が行われたと判断できるというわけです。

検索方法の価値を最大化させるには、この原則を適用することが不可欠です。 検索が収束しない場合は、重要なキーワードや検索語を見逃していることが考えられます。その場合、先行技術分析は、先行技術の重要な部分を見逃してしまう可能性があります。 逆に、検索をあまり深くしすぎると、意味のある結果を得ることなく、時間とコストがかさむだけになってしまいます。

先行技術の検索を行う際に考慮すべきポイントを説明したこちらの記事も、併せてお読みください。

貴組織の業界に精通している先行技術分析のプロに相談することで、時間と費用を節約

包括的な先行技術の検索は、往々にして遅い段階で行われたり、不完全だったりします。そうなるとその組織も、その研究開発パイプラインも、リスクにさらされてしまいます。 関連する先行技術を見逃したときの代償は高くつきます。2020年には、米国の裁判所は特許侵害による損害賠償として46億7,000万ドルの支払いを命じているのです。 そこで、研究開発に投資する前に、まず先行研究を特定すること、そしてイノベーションが開発された後も、新しい先行研究を特定し続けることが不可欠です。

最高レベルの知的財産検索ツールを使用しても、先行技術の分析を確実に実施することは困難です。 包括的な先行技術検索の実施するにあたり、テクノロジーを活用したり、知財調査の専門家の協力を仰ぐことで、先行技術の見落としを防ぎ、同時に時間を節約することができます。

そこで、CASの登場です。
CASのチームは、化学とライフサイエンス、そして先行技術分析に精通したエキスパートで構成されています。 化学物質や配列、そしてマルクーシュ構造など特許文書の複雑な側面であっても、それが検索可能になっており、そしてアクセス可能になっているよう、何百人もの科学者が日々CAS コンテンツコレクションの構築に取り組んでいます。

この唯一無二の豊富な知識がCASの能力を支えており、それが包括的なデータベースのキュレーションを行い、セルフサービス検索のためのCAS STNextなどの信頼性の高い知的財産ツールを提供し、そして必要に応じて信頼できる検索サポートを提供することを可能にしているのです。

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