革新技術の追跡:グローバルなR&D成長のマイクロトレンドはリスクと機会を明らかにします。

どのような基準に照らしてみても、世界のイノベーションは目まぐるしいペースで加速しています。 研究開発費、世界の特許出願、ベンチャーキャピタルの投資額、テクノロジー分野のM&Aのすべてが、増加傾向を示しています。 WIPOの統計では、過去3年間の世界の特許出願増加は、年平均7%であることが示されています。有名企業の年間レポートを見ると、競争に歩みを合わせるため、製品開発にかつてないほどの投資が行われていることがわかります。 しかし、もう少し掘り下げて見ると、この単純なシナリオの陰にはもっと興味深いマイクロトレンドがあることがわかります。

全体としてイノベーションのための方策は世界的に増えていますが、その成長は均一ではありません。今ではアジアが世界的な特許増加の中心にあることは誰でも知っています。特に数の上でも強さの上でも中国が群を抜いています。 中国以外では、韓国、ブラジル、インドなどの台頭市場で特許出願が急激に増えています。 では、歴史的に独占的な地位を占めてきた市場はどうなのでしょうか?WIPOの統計では、米国とドイツやイタリアなどの多くのヨーロッパの国々でも、前年比成長率が着実に増加してることがわかっています。ところが、同時期に日本では特許出願が減っています。ただ、特許出願活動だけではイノベーションの状態を正確に知ることはできません。行政予算、経済、通貨、特許法の改正などの要因も特許出願数に大きく影響するためです。

多様化もイノベーションを測る上で興味深い側面です。 過去に比べ、現在はより多くのソースから新しい発想や発見が生まれています。 こうした傾向はデジタル技術だけでなく、新しいタイプのグローバルパートナーシップ、ビジネス関係やコラボレーションなどの「オープン・イノベーション」と呼ばれる概念によって促進されることもしばしばあります。 こうした関係は、知識、技術、発想の越境的な移行だけでなく、異種業界間、官民セクター間などにおける新たな形の移行を加速しています。 その一例がStructural Genomics Consortiumで、これは大手製薬会社、政府の研究機関、そして世界をリードする大学の官民共同組織で、生医学的に重要なヒトタンパクの3D構造を明らかにすることで、総合的な薬剤発掘の努力を促進するための機関です。 この共同の成果は、さらなる研究努力の促進のためにすべて一般に公開されています。

イノベーションの速度は、分野によっても大きく異なります。 先進市場では、製薬、デジタル情報、無線通信などの既存の技術が研究をリードしています。 その一方で新規に台頭してきた市場はある分野に特化することが多いのです。例えば、ブラジルは採鉱、航空、自動車技術分野の特許出願数が突出しており、中国と韓国は2000年以降のグラフェン利用の国際特許出願の73%を占めています。この数年でドローンを含む無人車両に関連する技術の特許活動が爆発的に増加しているのも、驚くべきことではありません。しかし、それよりさらに驚くのは、この分野の特許出願の増加が2005年にはすでに始まっていたことです。 それとは逆に、新たな技術が転換点に来るとこれまで主導していた技術が排除され、特許活動が急激に減少している技術分野があることも興味深い事実です。これは、化学フィルムの場合に当てはまります。デジタル画像が急激に浸透するにつれて、2005年から2010年の間に化学フィルムの特許活動は世界で83%も減少しました(図参照)。

こうしたグローバル・イノベーションの傾向と肩を並べて行くことは、市場と競合情報分析の重要な側面です。 ビジネス戦略を導き、新たに現れた競合によるリスクや予期せぬ混乱を緩和するには、マイクロトレンドと先導的な指標が非常に重要になります。しかし、イノベーションの主要分野を評価・追跡し、特定の技術分野や業界あるいはビジネスに関連性があるかを判断するのは容易ではなく、グローバルなデータソースや深い分析が必要になることも多くあります。 的確に投資されたリソースは、持続的な競合上の優位を提供することで大きな見返りを約束してくれます。

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